紀伊半島の海沿いを走って、南紀田辺インターで高速をおりると日差しがまぶしいくらい。「2月なのに初夏みたい」と思いながら運転席の窓をあけると、ふわっと暖かい風が入ってきました。海の匂いも少し。
市街地には多屋孫(たやまご)書店という珍しい名の本屋さんがあり、照井壮平写真集『狼煙』も早くから置いてもらっています。
店内に入ると、おそれ多いことに南方熊楠コーナーの横に『狼煙』が!
狼煙のポスターの位置、熊楠先生の御名前より多少下げていただいてもええんですけど……、とドギマギしてしまいました。(なんかもう、すみません)
こちらの書店さんは大正5年の創業なのですが、田辺に暮らしていた南方熊楠とご縁があったそうですよ。
そして、特筆すべきは田奈部豆本。田辺の歴史や文化を紹介する小さな本で、手のひらにすっぽり入るサイズです。発行したのは吉田弥左衛門さんという田辺の方で、全部で61冊あるそうな。全国の古書店にも流通していますが、やはり地元ならではの豊富な品揃えです。
↓コツコツ買い集めているマニアも私の周囲にちらほらいます。
多屋孫書店さんの住所などはこちらです。
和歌山県田辺市南新町119
0739-24-1313
そんな多屋孫書店から歩いて数分のところに熊楠先生の旧居はあり、内部も見学可能です。このお屋敷を訪れてから熊楠関連の本を読むと、往時の情景がすごく目に浮かんでくるので熊楠ファンには必ず訪れていただきたい。土壁に沿って路地を曲がると、銭湯帰りの熊楠さんとばったり出会うような気がします。
お隣には南方熊楠顕彰館も。
http://www.minakata.org/
町をぐるっと一周してから、多屋孫書店のすぐそばにあるバニラカフェにも行きました。以前、こちらのお店ですごくおいしいチョコレートを買ったので再訪です。コーヒーのパッケージも、ぜんぶ可愛い。
バニラカフェさんのFBページはこちら。
https://www.facebook.com/vanillacafeshop/
「田辺は日差しがキラキラでびっくりした」と言うと、
「こんな日は海も真っ青できれいなんですっ!」とオーナーの芝さんが力を込めて言ってくれたので、ぶらっと扇ヶ浜にも行きました。(歩いてもいける距離です)
この海の色、まさに南国。夏ですやん。
下の写真はバニラカフェで買ったコーヒー豆とオレンジのチョコレートです。
おいしいコーヒーとチョコレートをいただきながら、多屋孫書店で買った『熊野木遣節』を今から読もうと思います。作者は熊野に住み続ける作家・宇江敏勝さん。
実は道音舎の前身とも言えるウェブサイト「みちとおと」は、宇江先生のエッセイから大きな影響を受けて制作したんです。時間があったら「みちとおと」もちょっと覗いてみてください。http://www.michi-oto.com/